婚姻費用 もらえないケース
監修(探偵歴20年以上)アーカス探偵事務所 アーカス探偵事務所 増田剛

結婚生活で別居となったとき、生活費の確保は切実な問題です。その際、理解しておくべきなのが、婚姻費用の請求についてです。

この記事では、婚姻費用がもらえない状況やその対処法などについて、具体的な事例を取り上げながら詳しく解説します。

現在別居中で婚姻費用の問題を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。


ネットにあるトラブル「高額な追加請求」「使えない調査報告書」は事実です。大手だから・探偵ランキングで見た・弁護士の紹介だから…など、あなたの探偵選びに間違いがないか、全国から寄せられる苦情から判断し回答いたします。
※ 「1時間 11,000円/1名」をお超えるような探偵事務所には依頼しないでください。ぼったくりです。

絶対に失敗したくない方はタンナビ(探偵ナビ)にご相談ください。

いますぐ相談したい

LINEで無料相談する

婚姻費用がもらえないケースとは?

婚姻関係が継続していても、状況によっては婚姻費用の請求が認められないことがあります。

以下で紹介する内容と、自身の状況を照らし合わせながら、婚姻費用を請求できるかについて確認してみてください。

有責配偶者からの請求

不倫の当事者など、夫婦関係の破綻の原因を作った有責配偶者からの婚姻費用の請求は認められにくいです。

例えば、浮気が原因で別居になったのに、浮気した側が「生活が苦しい」などと婚姻費用を請求しても、相手方からの強い反発を受け、婚姻費用が受け取れないこともあります。

ただし、なかには有責性があっても一部認められるケースもあり、判断は事情によって変わります。

すでに離婚が成立した

離婚後は婚姻費用を請求できません。

婚姻費用は文字通り、結婚している間の費用。離婚成立前に発生した未払いの婚姻費用については請求できますが、離婚後に新たに発生する費用については別の制度で対応する必要があります

子どもがいる場合は「養育費」として別途請求することが基本的な方法です。

正当な理由なく別居を開始

単なるわがままや、一方的な意向で家を出た場合、婚姻費用の請求は難しくなることがあります。

裁判所は婚姻費用の支払いの履行の必要性について、「正当な理由」があるかどうかを重視します。DVやモラハラなどが原因の場合とは異なり、単に「一緒に暮らしたくない」という理由で一方的に別居を始めると、「悪意の遺棄」と見なされる可能性もあり、婚姻費用の請求権が制限されることがあります。

同居して生活費を分担している

同居している夫婦はすでに生活費を分担して生活しているため、基本的に婚姻費用の分担請求はできません。

ただし、同居していても生活費の負担が著しく不平等な場合や、収入の多い配偶者が生活費を払ってくれないようなケースでは、婚姻費用の請求が認められることもあります。

話し合いで婚姻費用に関する問題が解決しない場合は、弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

相手が子どもと生活している

相手方が未成年の子どもと一緒に暮らしている場合、婚姻費用から子どもの分の養育費が差し引かれることがあります。

親権や面会交流に関するトラブルが起きている夫婦では、婚姻費用の交渉が複雑化することも少なくありません。

子どもの人数や年齢によっても状況は変わるので、専門家を交えた丁寧な協議が必要になります。

そもそも婚姻費用とは

婚姻費用を請求する際は、婚姻費用の定義や算定方法について理解を深めておくことが大切です。

ここでは婚姻費用に関する、基本的な知識を確認しておきましょう。

婚姻費用の定義と法的根拠

婚姻費用は、夫婦間で互いの生活を支え合うための費用を指します。

民法第760条に「夫婦は互いに協力し扶助しなければならない」と定められており、収入の多い少ないにかかわらず、夫婦は互いの生活水準を保つ義務があります。

別居中であっても婚姻関係が続いている限り、この権利と義務は消滅しません。婚姻費用の請求について不安な点のある方は、法律事務所など専門家に相談することもおすすめです。

婚姻費用の内訳と算定方法

婚姻費用には食費、住居費、光熱費などの基本的な生活費に加え、医療費や教育費、住宅ローンの返済分なども含まれます。

金額の算定には「婚姻費用の算定表」が参考にされることが多く、双方の年収と子どもの人数によって相場が示されています。

例えば、夫の年収が500万円、妻が専業主婦で子ども1人の場合、月額10万円程度が目安になるケースが多いです。ただし、これはあくまで目安であり、夫婦の状況によって変動します。

高額所得者の婚姻費用の算定方法

年収が高い場合、標準的な算定表だけでは対応できないことがあります。

例えば相手方の年収が1,000万円を超えるような場合、基本的な生活費に加えて、それまでの生活水準を維持するための部分も考慮されます。

高額所得者の場合は財産の状況も複雑なことが多いため、専門的な判断が必要となります。弁護士法人などの専門家に相談し、適切な金額を算出してもらうのが安心です。

婚姻費用の請求時期と支払い開始時期

婚姻費用は原則として別居開始時から請求できます。しかし、実際に支払いが始まるのは、当事者間の合意ができた時点や、調停・審判で決まった時点からとなることが多いです。

婚姻費用は過去に遡って請求することも可能ですが、長期間経過していると、全額認められないこともあり、早めの対応が大切です。

なお、病気や失業などで支払う側の状況が変わった場合、義務者に減額が認められることもあります。

婚姻費用がもらえないケースでの対処法

婚姻費用が受け取れないようなケースでは、別の対応を考える必要があります。

ここでは婚姻費用がもらえない際の対処法について解説します。

養育費部分のみ請求する

自分に有責性がある場合でも、子どもの養育費部分については認められる可能性が高いです。

裁判所は子どもの利益を最優先します。例えば、不倫が原因で別居した場合でも、子どもの教育費や生活費については請求できることが多いです。

このケースでは、婚姻費用の一部を「養育費」として請求する形になります。

離婚を早く成立させる

婚姻費用がもらえない状況では、早めに離婚して財産分与や慰謝料、養育費などを一括で解決する方法も検討すべきです。

特に相手方との交渉が難航している場合、離婚調停を申し立てて、婚姻費用と同時に離婚後の生活保障についても話し合うほうが効率的かもしれません。

離婚が成立すれば、年金分割の対象になる場合もあります。

婚姻費用の支払いを拒否されたら

話し合いで決まった婚姻費用を相手が支払わないような場合は、適切な対処を講じる必要があります。

ここでは婚姻費用の支払いを拒否された際の対応方法について解説します。

内容証明郵便で請求する

婚姻費用の支払いを拒否された場合、まず最初のステップとして、内容証明郵便で支払いを求めるのが一般的です。

内容証明郵便に、「〇月〇日に合意した婚姻費用〇〇円を〇日までに支払うように」と具体的に記載します。

内容証明郵便を送付することで、相手に問題の重大さを認識させる効果があります。また、後の法的手続きの際の証拠にもなります。

婚姻費用分担請求調停を申し立てる

内容証明でも相手の支払いがない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てます。

調停では調停委員が間に入って話し合いを促します。調停で合意できれば、それに基づいて支払いが行われます。

合意に至らなければ審判に移行し、裁判官が金額を決定します。この過程では弁護士の支援を受けると心強いでしょう。

強制執行で差し押さえをする

調停や審判で決まった婚姻費用を相手が支払わない場合は、強制執行の手続きを取り、相手の給与や預金、財産を差し押さえることができます。

強制執行の手続きは複雑なため、法律相談などを活用し、適切に対応する必要があります。

ただし、相手に財産がない場合は、差し押さえても実効性がないことがあるので注意が必要です。

婚姻費用がもらえないケースのよくある質問

ここでは婚姻費用が受け取れない状況で疑問点として挙がることの多い、よくある質問に回答していきます。

婚姻費用に関して不明点がある方はまず以下の内容を確認してみてください。

勝手に別居したら婚姻費用はもらえない?

正当な理由なく別居した場合、婚姻費用が制限されることはあります。ただし、すべての状況で一律に否定されるわけではありません。

例えば、別居の原因が互いの性格の不一致であれば、どちらにも主張の余地があります。

婚姻費用の支払いについて協議する場合、別居の経緯や理由を客観的に説明できるよう、記録を残しておくことが効果的です。

婚姻費用は実家暮らしでも請求できる?

実家に戻って生活している場合でも、婚姻費用を請求することは可能です。ただし、住居費の負担がない分、金額が減額されることはあります。

裁判所は実際の生活状況を考慮して婚姻費用について判断するため、実家の家賃を支払っている場合や、実家に生活費を入れている場合は、その事情を伝えることが重要です。

まとめ

本記事では、婚姻費用の定義や算定方法、受け取れない場合の対処法などについて解説しました。

婚姻費用は別居中の生活を支える重要な制度ですが、様々な事情でもらえないケースがあります。

本来なら受け取れる婚姻費用が支払われない場合は本記事で紹介したような対処を検討しましょう。

どのような状況でも、まずは専門家に相談し、自分の状況に合った最適な解決策を見つけることが大切です。冷静に法的な対応を進め、より良い解決を目指しましょう。

浮気調査に関する熟年離婚のご相談は、タンナビ(探偵ナビ)までご相談ください。


ネットにあるトラブル「高額な追加請求」「使えない調査報告書」は事実です。大手だから・探偵ランキングで見た・弁護士の紹介だから…など、あなたの探偵選びに間違いがないか、全国から寄せられる苦情から判断し回答いたします。
※ 「1時間 11,000円/1名」をお超えるような探偵事務所には依頼しないでください。ぼったくりです。

絶対に失敗したくない方はタンナビ(探偵ナビ)にご相談ください。

いますぐ相談したい

LINEで無料相談する