
別居を考えている人や、すでに別居をはじめている方にとって生活費の確保は大きな悩みといえるでしょう。その際、理解しておきたいのが婚姻費用についてです。
この記事では別居中に得られる婚姻費用の概要や金額、請求方法のほか、生活費が足りず別居できない場合の対処法などについて詳しく解説します。
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別居中の婚姻費用とは?
婚姻費用は、別居中であっても法的に保障された権利であり、適切に請求することで安定した生活を維持することができます。
ここでは、婚姻費用の基本的な仕組みについて見ていきましょう。
婚姻費用の法的根拠
夫婦は別居していても、婚姻関係が継続している限り、お互いに扶養の義務があります。これは民法に定められた法的な権利であり、収入の多い配偶者が、少ない方に対して生活費を支払う責任を負います。
この生活費のことを婚姻費用と呼びます。食費や家賃、医療費などの日常生活に必要な費用が婚姻費用に含まれます。
たとえ夫婦仲が悪化して同居できない状況であっても、離婚が成立するまでは法律上の夫婦として、お互いを支える義務が存在するのです。
別居で婚姻費用が発生する条件
婚姻費用が発生するのは、夫婦が別居中でありながら婚姻関係が継続している場合です。
ただしこの時、別居の原因がどちらにあるかは基本的に問われません。どのような事情で別居にいたったとしても、婚姻費用の請求権は原則として認められます。
ただし、不倫や浮気、DV、モラハラの加害者など、別居の原因を作った側が請求する場合は、金額の減額や支払い拒否が認められるケースもあります。
婚姻費用と養育費の違い
婚姻費用と養育費はどちらも生活費に関する制度ですが、適用される時期と対象が異なります。
婚姻費用は、夫婦が別居中で婚姻関係が続いている期間に支払われ、そこには配偶者自身の生活費と子どもの養育費の両方が含まれます。
一方、養育費は離婚後に子どもを監護していない親が支払うもので、子どもの生活費や教育費のみが対象となります。
離婚が成立すると婚姻費用から養育費に移行し、配偶者への扶養義務はなくなります。また、婚姻費用の方が養育費よりも金額が高くなることが一般的です。
別居中の婚姻費用はいくらになる?
婚姻費用の金額は、それぞれの夫婦の収入状況や家族構成によって大きく変わります。一般的に、裁判所が作成した算定表を基準として計算され、年収や子どもの有無・年齢などの要素が考慮されます。
ここでは、具体的な金額の目安と影響する要因について説明します。
収入に応じた婚姻費用の目安
婚姻費用の金額は、夫婦それぞれの年収を基に算定表を使って計算されます。
例えば、夫の年収が500万円で妻が専業主婦の場合、子どもがいない夫婦なら月額8〜10万円程度が目安となります。年収が高いほど婚姻費用も高くなり、夫の年収が800万円なら12〜14万円程度になることもあります。
算定表は家庭裁判所が作成したもので、調停や審判でも基準として使用されています。ただし、特別な事情がある場合は個別に調整されることもあります。
具体的な金額を知りたい場合は、弁護士や法律事務所など、専門家に相談して計算してもらうことをおすすめします。
子どもの有無・年齢による影響
別居している夫婦に子どもがいる場合、婚姻費用の金額は高くなります。なお、子どもの人数と年齢によって必要な費用が変わるため、算定表でも細かい条件が設定されています。
例えば、夫の年収500万円で妻が専業主婦、子ども1人(0〜14歳)の場合、月額12〜14万円程度になります。
また子どもが15歳以上になると教育費などが増えるため、さらに高額になる傾向があります。
さらに、子どもが複数いる場合は、それぞれの年齢に応じて加算されます。私立学校の学費や特別な医療費が必要な場合には、算定表の金額に加えて個別に請求できる場合もあります。
そもそも離婚前に別居する理由は?
別居中でも婚姻関係が続いている限り、婚姻費用の請求は可能です。しかしそもそも、別居をすることにはどういった理由があるのか、把握しておくことも重要でしょう。
ここではすぐに離婚手続きを進めるのではなく、別居期間を設けることのメリットなどについて考えてみましょう。
夫婦関係を修復できる可能性がある
別居期間を設けることが、夫婦関係の改善につながる場合もあります。別居によって物理的な距離を置くことで、お互いの存在の大切さを再認識できることもあるでしょう。
また、一人の時間を持つことで自分自身を見つめ直し、夫婦間の問題を客観視できるようになるかもしれません。
同居していると些細なことでもイライラしてしまいがちですが、離れて暮らすことで冷静に相手のことを考える時間ができ、夫婦問題の解決のきっかけがつかめる場合もあるようです。
冷静に離婚協議を進められる
離婚をすでに決めている場合でも、同居していると相手への不満が清算できず、つい感情的になってしまうこともあるでしょう。
その際、別居によって心理的な余裕を持つことで、財産分与や慰謝料、親権などの重要な問題について建設的な協議ができるようになります。
また、実際に一人で生活することで、離婚後の生活をイメージしやすくなり、現実的な条件設定が可能になることもあるでしょう。財産分与や年金分割などの手続きについても、冷静に検討しやすくなります。
納得のいく離婚調停や示談を行うために、別居期間中に自分の気持ちについて整理することも重要です。
裁判で離婚が認められやすくなる
離婚手続きにおいて、もし協議離婚が成立しない場合、家庭裁判所での調停や審判、最終的には裁判による離婚となる場合があります。
裁判で離婚が認められるためには法定離婚事由が必要ですが、その中でも「夫婦が長期間別居している」ことは重要な判断材料となります。
一般的に3〜5年程度の別居期間があると、婚姻関係が破綻していると認められやすくなります。
また、別居期間中の生活状況や夫婦間の連絡頻度なども考慮されるため、適切な別居期間を設けることで法的な手続きを有利に進められることがあります。
別居中の婚姻費用を請求する方法と手順
ここでは、婚姻費用の具体的な請求方法と注意点について解説します。
婚姻費用の請求は、まず当事者間の話し合いから始まり、合意にいたらない場合は段階的に法的手続きに移行していきます。
適切な手順を踏み、スムーズに婚姻費用を受け取れるよう、以下の内容を把握しておきましょう。
話し合いで解決するためのポイント
婚姻費用を請求する場合、まずは夫婦間で直接協議を行い、婚姻費用について合意を目指す必要があります。
話し合いの際は、感情的にならず客観的な事実に基づいて交渉することが重要です。算定表を参考にして適正な金額を提示し、お互いの生活状況や収入を正確に伝えましょう。
また、子どもの教育費や医療費など、特別な事情がある場合は具体的な資料を用意して説明すると良いでしょう。
話し合いが合意に達した場合は、後でトラブルにならないよう公正証書や合意書として書面に残すことも大切です。
内容証明郵便の活用方法
協議による解決が難しい場合は、内容証明郵便を利用して婚姻費用の請求を行います。
内容証明は「いつ、誰が、どのような内容の文書を送ったか」を郵便局が証明してくれる制度です。内容証明に、請求する婚姻費用の金額やその根拠、支払期限、支払いがない場合の対応などを明記しましょう。
内容証明に法的効力はありませんが、真剣に請求していることを相手に伝える効果があります。
内容証明を送ることで相手が請求に応じることもあるほか、後の調停での証拠としても活用できます。
家庭裁判所での調停申立ての手続き
婚姻費用の請求について協議や内容証明でも解決しない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てます。
申立てに必要な書類は、申立書、夫婦の戸籍謄本、収入に関する資料(源泉徴収票、給与明細等)です。
調停では、調停委員が中立的な立場で双方の言い分を聞き、適切な解決案を提示してくれます。また調停は非公開で行われるため、プライバシーも保護されます。
調停委員は法律の専門家ではありませんが、多くの事例を扱っているため実務的なアドバイスをもらえます。
調停で合意に達すると調停調書が作成され、これは強制執行も可能な公的文書となります。万が一、婚姻費用の支払いが未払いとなった場合でも、調停調書に基づいて給与の差し押さえなどの手続きを取ることができます。
調停が不成立だった場合の対応
調停でも婚姻費用の請求が合意に至らない場合、自動的に審判に移行します。審判では、裁判官が双方の主張と証拠を検討し、婚姻費用の金額を決定します。
審判は裁判所の決定であり、当事者の合意は必要ありません。審判書が確定すれば、これも強制執行が可能な公的文書となります。
審判に不服がある場合は、2週間以内に高等裁判所に即時抗告することができますが、よほど特殊な事情がない限り覆ることはありません。
審判で決定された婚姻費用が支払われない場合は、給与の差し押さえなどの強制執行手続きを取ることもできます。
ただし審判による婚姻費用の請求には専門的な手続きが必要になるため、弁護士のサポートを受けることをおすすめします。
生活費がなくて別居できない場合の対処法
生活費が足りないなど、経済的な理由で別居に踏み切れない人も少なくないでしょう。しかし、DV被害やモラハラなど、一刻も早く別居が必要な場合もあります。
ここではそのような状況でも、安全に別居を開始する方法について解説します。
実家に避難する
現実的な選択肢のひとつとして、実家への避難は有効な方法です。実家であれば家賃や光熱費などの負担を軽減でき、経済的な不安も解消できます。
また、家族のサポートを受けることで精神的な安定も図れるかもしれません。
ただし、実家が遠方にある場合は、子どもの通学や仕事の継続がむずかしくなる可能性があります。
また、配偶者に実家の住所を知られている場合は、トラブルに発展する恐れもあるため注意が必要です。
安価なウィークリーマンションを活用する
ウィークリーマンションやマンスリーマンションを活用する方法も選択肢のひとつといえます。
ウィークリーマンションは家具や家電が完備されていることも多く、敷金礼金も原則不要なため、初期費用を抑えることができます。
また、短期間から利用可能なので、婚姻費用の支払いが開始されるまでの一時的な住居としても適しています。
ただし料金は一般的な賃貸住宅よりも割高になることが多いため、長期利用には向きません。利用する際は、立地条件や設備を十分に確認し、安全性も考慮して選択することが大切です。
また、子どもがいる場合は、学校への通学も考慮する必要があります。
婚姻費用分担の保全処分を申し立てる
別居開始から婚姻費用の支払いが確定するまでには時間がかかることがありますが、その間の生活費を確保するために、家庭裁判所に婚姻費用分担の保全処分を申し立てることができます。
婚姻費用分担の保全処分とは、緊急性がある場合、調停や審判の結果を待たずに暫定的に婚姻費用の支払いを命じる制度。申立てには疎明資料(収入証明書等)が必要で、緊急性と必要性を立証する必要があります。
保全処分が認められると、本格的な手続きが完了するまでの間、一定額の婚姻費用を受け取ることができます。
ただしこの制度の利用には専門的な知識が必要なため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
公的な支援制度を活用する
経済的に困窮している場合は、各種公的支援制度を活用することも可能です。生活保護、住宅確保給付金、母子父子寡婦福祉資金貸付金など、状況に応じて利用できる制度があります。
特にDVの被害を受けている場合は、配偶者暴力相談支援センターを通じて緊急的な保護や支援を受けることも可能です。
こういった制度を利用するには一定の条件や手続きが必要ですが、福祉事務所や市区町村の相談窓口で詳しい説明を受けられます。
資産や収入の状況によって利用できる制度が異なるため、まずは各担当機関や専門家に相談してみることが重要です。
別居中の婚姻費用に関するよくある質問
ここでは婚姻費用に関する、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
これらの情報を参考に、自身の状況に適した対応を検討してください。
同意のない別居でも婚姻費用は請求できる?
配偶者の同意を得ずに別居に踏み切った場合でも、原則として婚姻費用の請求は可能です。
民法上の扶養義務は、別居にいたった経緯や同意の有無に関わらず存在します。
ただし、別居の原因が請求者側にある場合は、請求が制限されることがあります。
一方、配偶者の浮気や不貞行為、モラハラなどが原因で別居を選んだ場合は、請求者側に有利に働くことが多いです。
ただしその場合も、別居の必要性や正当性を客観的に説明することが大切です。弁護士などの専門家に相談することで、個別の事情に応じた適切なアドバイスを受けることができます。
別居前の生活水準は考慮される?
婚姻費用は、基本的には算定表に基づいて計算されます。別居前の生活水準も考慮されますが、それが最優先されるわけではありません。
ただし著しく高額な生活費がかかっていた場合や、特別な事情がある場合は個別に検討されることもあります。
例えば、高額な住宅ローンを組んでいた場合や、子どもが私立学校に通っている場合などは、従来の生活水準を維持するための費用が加算されることがあります。
しかし、別居によって生活が簡素化する部分もあるため、必ずしも同じ水準の生活費が認められるとは限りません。
内縁関係でも婚姻費用は対象になる?
内縁関係、つまり事実婚の場合、法律上の婚姻関係ではないため、厳密には婚姻費用の対象とはなりません。
ただし、内縁関係であっても事実上の夫婦として生活していた場合は、扶養的財産分与などの支援を受けられる可能性があります。
ただし内縁関係が認められるためには、夫婦としての実態があることが重要。同居期間、経済的な結びつき、社会的な認知などが総合的に判断されます。
また、子どもがいる場合は、認知されていれば養育費の請求は可能です。
内縁関係の解消に際しては、財産形成への貢献度合い等も考慮されるため、具体的な事情について弁護士に相談することをおすすめします。
婚姻費用の金額変更はできる?
一度決まった婚姻費用の金額でも、事情の変更があった場合は変更することが可能です。
収入の大幅な増減、子どもの進学、病気による医療費の増加、再婚などが変更事由として認められることがあります。変更を求める場合は、まずは当事者間で協議し、合意を目指しましょう。
合意にいたらなければ家庭裁判所に調停を申し立てます。変更が認められるためには、当初の決定時から事情が大きく変わったことを、客観的に証明する必要があります。
その際、単に生活が苦しいというだけでは変更理由にはならず、具体的な収入の変化や特別な出費の発生を示す必要があります。
まとめ
この記事では、別居中の夫婦の婚姻費用の請求方法や、別居のメリットなどについて、詳しく解説しました。
別居中の婚姻費用は、法的に保障された重要な権利です。適切な手続きを経ることで、安定した生活を維持しつつ、夫婦関係の問題解決も図れます。
婚姻費用の請求は、正確な知識や専門家のサポートが必要になることもあるので、弁護士などにも相談をしながら、慎重に進めていきましょう。
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